大友祥碁

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Immersive Forest

Immersive Forest

Client:長崎県西海市,株式会社西海クリエイティブカンパニー

2022年11月10日から12日にかけて長崎県西海市にあるオリーブベイホテルで実施された「ZERO CARBON CITY SAIKAI」にて展示したデジタルインスタレーション作品。 人類にとってのこれからの豊かさは、自然の中に自身の居場所を「作る」ことではなく、そのダイナミズムに「包み込まれる」ことなのではないか。というメッセージを西海市の暮らしや未来と照らし合わせ、作品へと昇華させた。

人々は作品をホテルの中や外、作品の内と外から眺めることで、本作品を楽しむことができる。

経緯

長崎県西海市 西海橋と新西海橋

本作品はご縁によって私が長崎県西海市にある地域商社「西海クリエイティブカンパニー」と人口減少にDXで立ち向かうテックコミュニティー「ばりぐっどくん」と出会った事から始まる。 「街の再エネ電力売買事業を可視化したい」というお話とアートを繋げられないかという事で、「ばりぐっどくん」に加入、初めて西海に足を運んだ。西海市は鉄道も通っていない街であるが、海は透き通り雄大な自然が広がっている事から夏には観光客で賑わうそうだ。街を巡る中で私が地方に持つ憧れや心地よさ、つながりを感じると共に、こうした地域に住むからこそ感じる強風の被害や、巨大な虫や山のもたらす恵みと苦労についてお話を聞くことができた。こうしたお話や西海を巡る中で、私はそうした西海の地域性を以って洋上風力発電を初めとした脱炭素社会に力を入れていく変化を「自然に介入する文明のあり方」から「自然の流れを受け止め包み込まれていくこと」と定義し、もしかしたら再開のそうした姿勢にこそ今後の人類の豊かさや心地よさの形があるのではないか。 そして、西海がそのパイオニアになるかもしれない未来を作品で描き出そうと本作品のコンセプトを設定した。

2022年5月LWTT(LINE WORKS Tech Talk)プレゼンテーションより

作品体験について

Immersive Forest をフロントから眺めた写真

本作品は、風・電力使用量といった情報を基に、ここで暮らす私たちと、それを取り囲む風を映し出し、その循環によって中心に木の根がはっていく様子が描き出されている。 私たちが生活することが自然の一部として組み込まれていく様子を感じ取ることができる。

作品はホテルの中と外から見られることを想定して作られており、鑑賞者は中からは全体像を、外に出ることで、場内を包み込むように作られているサウンドによって主体的に包み込まれるような体験ができる。

音響体験について

借りていた制作スペース画像

今回初めて4ch quadraphonicによるサウンドデザインを行った。これは4台のスピーカーを対角線上に設置することで生まれるサラウンド体験であるが、本作品では作品の内と外の音響体験に変化を加えるほか、ホテルの窓に音を反響させエントランスに心地よく音が微かに聞こえるようデザインした。

ホテルの世界観と、自然に包み込まれる「循環」というテーマを融合させたインスタレーション作品となった。

Logic Pro X Surround Panner

Credit

Produce & Director:Shogo Otomo

Technical:Kazuki Karakami

Key Visual:Risa Aoyagi

Cooperation member:Ryuku Saito , Takumi Matsuo , Shown Nakamura

Cooperation:Nissan Group(※)

Special Thanks:RPG WORKS

Client:Saikai City, Saikai Creative Company

※本作品は電源を再生可能エネルギーから供給する為、日産リーフを日産グループ様よりご提供いただきました。 本作品は作品自体がサスティナブルである為に、カーボンフットプリントの削減に取り組んでいます。大友の考えるアートとサスティナビリティーにつきましては https://tomoshou.com/sustainability/immersiveforest/ をご参照ください。