大友祥碁

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mirai Vision

2020年12月17日〜25日にかけて大学の校舎で実施したインスタレーション作品。新型コロナウイルスの感染拡大によって表現の場や機会が失われていく中で、今を悲観するのではなく、こんな時だからこそ芸術に携わる多くの人々が声を発して、何か新しいクリエイティブを作る原動力になるような作品を作れないかと企画・制作した。

Drawed by Onokono.(Department of Design)

本作品では、大学に通う学生1人1人のクリエイティブを星、そして映像が投影されている建物(ギャラリー棟)がそれらを夜空へ解き放っていく星空製造機と見立てている。 外に設置されている星空製造台に手を乗せる事によって、クリエイティブな想いを星に変換する事ができる。

映し出されている少女は、そうした1人1人のクリエイティブを具現化した存在(パブロ・ピカソの「子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。」という言葉から着想を得た物)であり、心の中にあるそうした少年/少女の気持ちを星に変換してアウトプットしたいという意思を提示している物である。

星空製造台に触れる。 #mirai Visionでつぶやく。という形でオンラインとオフライン。 すなわち対面や周辺地域を利用する人々と実際この地にこれない人たちをつなぐ作品を目指した。

実装した技術

動作中のMAX/MSPのパッチ

2台のコンピューターを利用し、MAXを動かすパソコンとTouchdesigner(映像出力)で処理を分散させている。 MAXでは星空製造台に触れた情報をXBeeで入力させ、それによって音と光のフィードバックを返すようにプログラムされている。 映像と建物内部の光は別々に扱っており、内部の光はDMXで制御するように設定した。 この情報によって映像にフィードバックを送る為、2台のPCは同一ネットワークに接続しており、OSC(Open Sound Control)によって情報をもう1台の映像生成PCに転送。 その情報を元に、星の数などを制御するようにプログラムされている。

新しい生活様式に則った制作フローの確立

こうした大規模インスタレーション作品制作は”Memories”以来であるが、”Memories”のように多くのメンバーを集め、制作する事は現実的ではなかった。 よってこれまで私が関わってきた人々に声をかけて動きやすい少人数での制作を行った。

大学の授業もほとんどがオンラインであった為、情報共有はZoomとこうしたG Suite(現:Google Workspace)のサービスがとても役に立った。 スケジュールや進捗状況をリアルタイムに更新し、ある程度のスケジュール感を全員で共有する事で、オフラインで会う事ができない不便さをツールで埋めていった。コロナ渦及びアフターコロナにおける制作スタイルの実践も行った。

謝辞・クレジット

本作品・プロジェクト成功に向けてご協力くださった全ての方に改めて感謝申し上げます。

サウンドデザイン:常世田崇冶

ハードウェア制作:菊池夏美

アニメーション制作:小野鼓乃

顧問:川上央

作曲・ディレクター:大友祥碁

協力:日本大学芸術学部

日本大学芸術学部 音楽学科/美術学科/放送学科