大友祥碁

tomoshou.com

Envelope

Client:埼玉県所沢市,Ryuji Fujimura Architects

所沢市の都市計画化が実施する社会実験である「Tokorozawa Street Place」においうイベントにおいて、急勾配のため普段デッドスペースとなっている公園の利活用案として提案し、実施した作品。 傾斜のある公園内にハンモックや人が横になれるオブジェクトを配置し、そこに市内にある航空記念公園でサンプリングした音を混ぜた4chのアンビエントサウンドで空間を満たしていく。都市空間の中に音で自然を感じる事ができる空間を創造した。

Envelope 子供たちが遊ぶ様子

本作品の実施環境として、手前で飲食の出店が立ち並び、その手前を県道が走っているという環境であったため、導線としては手前で食べ物を購入した人が、休憩するような動線を想定していたが、一方でこの2つの音をうまくマスキングしてあげる必要があった。 筆者は制作したアンビエントミュージックでは、常時45-250Hzの音が再生されるようにし、一方で高い周波数の音を最小限にする事で、マスキングと、設置空間に存在する木が風によって揺れる音といった普段耳につくことのない音へ自然と耳がいくような音の視線誘導を行なった。 これらは意識しないと気づかないレベルの話ではあるが、結果的に本作品は多くの子連れのファミリーや子供が利用していた。中には本を持ち込んでくつろぐ子も確認でき、結果子供にとっても本能的に心地よいと感じることのできる空間を提供できたのではないかと筆者は考えている。

Tokorozawa Street Place 会場を取り囲む環境(Google Street Viewより)